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special edition特集ペリネイタルケア 2021 vol.40 no.6 (525) 11新生児蘇生法 図解でみえる手順とケアNCPRガイドライン2020 知っておくべき改訂ポイントプランナー自治医科大学附属さいたま医療センター周産期科新生児部門 教授細野茂春 ほその しげはる際蘇生連絡委員会(ILCOR)が1991年に初めて国際蘇生ガイドラインを公表し、2000年からは5年ごとに改訂を行い今回2020年版で5回目の改訂を迎えた。埼玉医科大学名誉教授の田村正徳先生のリーダーシップで、2007年にCoSTR2005に基づいたわが国の新生児蘇生法(neonatal cardio-pulmonary resuscitation;NCPR)ガイドラインが作成され、その後はNeo-natal Life Support Task Forceとしてわが国からも常時参加して国際ガイドラインの作成に関われる体制となった。そのため、NCPRガイドラインも、CoSTR公表前から進捗状況に合わせてNCPRガイドライン改訂が遅滞なく反映できる体制となっている。 今回は新生児領域では22項目が検討されたが、国際ガイドラインに反映できるシステマティックレビューは7件で、結果として新生児蘇生に対する基本的な考え方に大きく関わる変更はなかった。そのため、NCPRアルゴリズム2020では、講習会や臨床現場の声を反映させた形で改訂を行った。新たな評価法として取り入れられたスコーピングレビューではデブリーフィングのレビュー結果のみならず、新型コロナウイルス感染症下の現状でより確実な感染防御を行う上で器具の確認と役割分担が重要であることから、アルゴリズムに新たにブリーフィングを加えた。 2015年での改訂コンセプトは個人の遅延なき有効なマスクとバッグによる人工呼吸の重要性であった。今回2020年の改訂では遅延なき有効な人工呼吸が実践できる個人の技術に加え、胸骨圧迫以下の救命の流れでは複数名の人員が必要になるためチームパフォーマンスが重要性を上げた。 NCPRを修得するには知識、技術、態度の三位一体の研修が必要であるが、本特集では改訂点についての知識にとどまらず、現場をイメージしてアルゴリズムに添った蘇生の知識が身に付くよう図をふんだんに使用して工夫した。ぜひ明日からの臨床に役立てていただきたい。国

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