3Emer-Log 2021 春季増刊新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により、われわれの生活は一変しました。マスクの着用、ソーシャルディスタンス、3密の回避など、新たな生活スタイルを強いられています。救急外来での診察も例外ではなく、コロナ感染のリスク評価、ゾーニング、N95マスクやフェイスシールドの着用など、新たな診察スタイルが必要になっています。診察スタイルは大きく変化しましたが、救急外来でわれわれが患者さんに対して行う診療、すなわち病歴や身体診察から鑑別疾患を考え、検査や画像から確定診断に迫り、治療を行うといった診療の原則はウィズコロナ時代も変わりありません。今回、ウィズコロナ時代においても普遍的に救急外来で必要とされる検査項目について特集しました。本書は2部構成になっており、Part 1は検査項目についての解説集で辞書的な使いかたがおすすめです。Part 2はケーススタディとなっており、症候から鑑別疾患を考え、確定診断に迫るために必要な検査を解説しています。実際の救急外来では、主訴や症候からほぼ反射的に検査がオーダーされ、思考過程が見えないほどのスピード感があるかもしれません。本書では、医師がどのような思考過程でその検査をオーダーしたかをじっくり解説しています。救急外来の第一線で活躍する先生方に執筆をお願いしましたので、よりリアルで実践的な内容になっています。さらに、ウィズコロナ時代の救急外来における新たな診察スタイルについて、動画での解説も含めました。救急外来で必要とされる検査項目について、読者の皆さんの理解が深まり、本書がウィズコロナ時代の救急外来診療の一助となれば望外の喜びです。 2021年4月 前橋赤十字病院 高度救命救急センター 集中治療科・救急科 副部長鈴木裕之はじめに
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