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特別 webインタビュー1透析ケア 2021 vol.27 no.6 (503) 72021年3月21日まで、1都3県の緊急事態宣言が継続していましたが、透析施設の状況はいかがでしょうか? 新型コロナウイルス感染症の感染者(以下、感染者)数はまだかなり多いですね(2021年3月の緊急事態宣言解除直後)。クラスターは減ってきましたが、全体数は相変わらずの推移です。透析患者の感染者においては70歳代から予後が悪くなり、80歳代以上だと5割近くが亡くなっています。そのため、緊急事態宣言が明けても油断はできない状況です。私の所属する埼玉医科大学病院では対応可能な病床が34床ありますが、つねに患者は入院してきます。一方で、全体の重症者の割合は減ってきたような印象があります。 当院の発熱外来には、毎日10名以上の人が来院しています。逆に、一般外来の再診に関しては検査・治療の延期や電話診察により高齢者の来院数が減っています。大学病院の性質上、一定数の受診はありますが、患者からも診察延期の希望がある状況です。新型コロナウイルス感染症について、スタッフからよく聞かれる質問は何でしょうか? 2020年夏の第2波のピーク時にはクラスターの発生もあり、透析患者の感染者の入院に関する問い合わせがいちばん多かったです。透析患者の感染者は原則入院することが決まったものの、透析機能をもつ感染症指定医療機関の病床数は限られているため、入院がむずかしい現状もありました。クリニックなどの透析施設の医透析施設の状況?? 2020年のはじめから日本でも感染が拡がりはじめ、パンデミックをひき起こして多くの人の健康と命を脅かしている新型コロナウイルス感染症。透析患者、とくに高齢透析患者が罹患した場合の死亡率は一般人口に比して高く、透析施設では患者やスタッフ、そしてその家族を護るため、適切な感染対策が求められている。 日本で新型コロナウイルス感染症が流行しはじめてから、約1年半。「一体、いつになったら終わりがくるのだろうか……」。そんな声が聞こえてきそうだ。 今回、「透析室の皆さんにエールを送ってください!」という編集室からのお願いを快諾してくださったのは、日本透析医学会理事長の中元秀友先生だ。新型コロナウイルス感染症と闘う全国の透析室スタッフの皆さんへ向けて、力強く温かいメッセージと希望を送っていただいた。透析室スタッフの皆さんも透析患者さんも(陰ながら編集室スタッフも!)、みんながんばっている。あとすこし、がんばろう!(取材・構成・編集:透析ケア編集室/ライター:難波安衣子)

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