透析ケア 2021 夏季増刊 39適な治療を選択し決定する共同意思決定に向けたプロセスです。実際にはパンフレット(図)3)などを用いながら、それぞれの腎代替療法に関するメリットやデメリットなどを話します。腎代替療法を行わない選択も、必要に応じて説明します。透析療法:血液透析と腹膜透析 血液を身体から取り出し、透析器へ通してきれいにしてから身体へ戻す「血液透析」と、お腹にカテーテルという管を入れて透析液を貯留させ、透析液に体内の尿毒素や不要な水分を含ませて排出する「腹膜透析」の2種類があります。血液透析メリット:透析患者の多くが選択しています。透析施設の選択肢は多く、一部の施設では在宅血液透析も実施しています。デメリット:通院は基本的に週3回で、3~5時間の時間的拘束があります。食事・水分制限が必須です。腹膜透析メリット:生活制限や食事制限は少ないです。通院回数も少なくなります。デメリット:カテーテル接続やカテーテルケアなどの手技を習得する必要があります。長く使用できても5~10年程度の期間の制限があり、その後は血液透析や腎移植への移行が必要です。腎移植:生体腎移植と献腎移植 家族、配偶者、身内から2つの腎臓のうち図 「腎不全 治療選択とその実際」(2020年版)(文献3より一部抜粋)第2章 血液透析・腹膜透析・腎移植
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