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 コロナ禍での生活をしいられて1年が経過し、2021年4月の現在、新型コロナウイルス変異株の猛威に曝されるという、新たな試練に向き合う事態に至っています。新型コロナウイルス感染症に罹患した透析患者も急増しているなか、透析室の新人スタッフとして配属された人々は、透析患者のからだを理解し、透析の知識と技術を習得し、さらには患者を感染症から守るという大きな重圧に苦しんでいるのではないかと拝察します。 本書が刊行されるころには、この春に透析室へ配属・異動したスタッフのみなさんが、透析装置に囲まれた透析室の雰囲気やプライミング操作にようやく慣れはじめていると思います。しかし、わずかな余裕をもつこともなく、バスキュラーアクセスへの穿刺、患者からの食事の相談、血液回路をとおした薬剤投与、検査値の意義、合併症を有する患者への対処などについて、次から次へと疑問ばかりが襲っているのではないでしょうか。 本書は、第一線で活躍をしている先生方にお願いし、入職・異動して間もないこの時期に襲われる知識不足への不安を、一気に安心へと変えるためのコンテンツを用意しました。7章に及ぶ素朴な疑問を88問に整理してあり、わかりやすいAnswerになっていると思います。 まだ新型コロナウイルスワクチンの接種を受けられていないという人は多いと思いますが、本書は「疑問」というウイルスのワクチンになりえるものと考えます。2021年4月神奈川工科大学健康医療科学部臨床工学科教授山家 敏彦編集にあたって編集にあたって

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