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教科書には書かれていない 「今日からできる!」ケアのツボを詰め込んだ 臨床ナースのための 第1特集THEこれだけ消化器解剖生理消化器ナーシング 2021 vol.26 no.5 (399) 72消化・吸収・排泄の流れタンパク質胃液に含まれるペプシンによってポリペプチド(ペプトン)に分解された後、膵液に含まれるトリプシノゲンやキモトリプシノゲン(十二指腸に存在するエンテロキナーゼによって活性化され、それぞれトリプシン、キモトリプシンとなる)によって最終的に20種のアミノ酸にまで分解されます。炭水化物(デンプン)唾液や膵液に含まれるアミラーゼによって二糖類(マルトース)に分解された後、小腸から分泌される消化酵素(マルターゼ)によって単糖(ブドウ糖)にまで分解されます。脂肪十二指腸で胆汁により乳化され、次に膵液に含まれるリパーゼによって、脂肪酸を1つつけたままのモノグリセリドと脂肪酸、グリセロールなどに分解されます。水に溶けやすいグリセロールはそのまま、モノグリセリドと脂肪酸は胆汁酸のはたらきによりミセルという親水性の非常に小さい分子に取り込まれて、小腸から吸収されます。①「消化」と「化学的消化」 食べ物を吸収できるように小さく分解することを生理学では「消化」といい、大きく分けて2つの段階があります。物理的消化は食べ物を砕いて細かくしていく作業で、口の中で行う咀嚼や、胃で行う撹拌がそれにあたります。 栄養素を体内に吸収するには、血管の壁を通り抜けられるほどさらに小さな分子にまで分解する必要があり、これを「化学的消化」といいます。消化器官から分泌される消化酵素は、この化学的消化を助けるはたらきがあります。タンパク質肉類、魚類、卵、豆類など生命維持などに欠かせないエネルギー源炭水化物パン、ごはん、麵類など脂肪植物油、動物性油脂など私たちがふだん口にしている食べ物にはいろいろな栄養素が含まれていますが、そのうち「タンパク質」「炭水化物」「脂肪」の3つは“三大栄養素”と呼ばれ、生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源となっています。(次ページへ続く)

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