130112106
6/8

6 (494) 消化器ナーシング 2021 vol.26 no.61留置部位まずはこれだけ! 留置部位の要点1 頸部ドレーン頸部ドレーン大阪大学大学院医学系研究科 外科学講座 消化器外科学 山下公太郎12留置の目的・タイミング●食道亜全摘術後(4~5日間程度) →頸部ドレーン留置の目的は、頸部リンパ節郭清後に貯留した血液や漏出したリンパ液を体外へドレナージすることです。頸部には図のとおり気管が存在するため、術後の血腫など、液体貯留により気道が圧迫された場合には、窒息のリスクを伴います。このため、貯留した血液やリンパ液をしっかりドレナージすることが重要です。 →頸部リンパ節郭清後であれば、2~3日で排液は少量となることが多く、通常、術後4~5日で抜去します。3先端の位置消化器外科手術では、食道がんをはじめとする消化器がんに対する頸部リンパ節郭清術(頸部食道切除術や胸部食道がんに対する3領域郭清術)後において、頸部ドレーンを留置することがあります。通常、両側の頸部リンパ節郭清領域(内頸静脈外側のスペース)へドレーン先端を留置します。また、食道がん切除再建術において、頸部にて消化管吻合を施行した場合には、吻合部背側へドレーン先端を留置する場合もあります。リンパ節リンパ節甲状腺甲状腺頸横動脈頸横動脈上甲状腺動脈上甲状腺動脈気管気管頸部ドレーン留置部位(頸部リンパ節郭清領域)内頸静脈気管気管甲状腺甲状腺食道僧帽筋斜角筋群頸動脈鞘総頸動脈内頸静脈

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る