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経尿道的内視鏡手術は泌尿器科のDNAに刷り込まれており、泌尿器科を特徴づけるものです。また、TURBTが新人泌尿器科医にとって入門的な手術となっているように、若手泌尿器科医が積極的に腕を磨ける手術です。一方で、多くの熟練術者が経尿道的手術は奥の深い、難しい手術だと言われるのを耳にします。経尿道的手術は開放手術や体腔鏡手術のように臓器の全貌を視野にとらえることができません。内腔から比較的狭い範囲のみ直接観察できるわけですが、膀胱や尿管といった臓器の壁厚、手技に伴う変形、周囲臓器との関係などを頭の中でイメージしつつ手術することになります。さらにこれらには個人差も存在します。奥深い手術、難しい手術と言われる所以だと思います。本特集では経尿道的手術の最前線で活躍されている先生方により、心構えから手技の実際までをわかりやすく解説していただき、刷り込まれたDNAがまさに転写・翻訳され、活性化されるのを感じました。また、コラム「私の初めての〇〇術」は、老若を問わず思わず共感して楽しく読める内容になっています。経尿道的手術を実践される先生、術前・術中・術後管理をされるメディカルスタッフの皆さまにとって本特集が必携の書となることを願っております。(神波大己)本号では、経尿道的手術について術前から術後までの細部にわたる内容を、神波先生のかじ取りのもと、第一線でご活躍されている先生方にご執筆いただくことができました。「細部にわたる」と書きましたが、早速お読みいただければ実感していただけると思います。単なる手術のHow to本ではなく、そこに至るまでのマインドや後輩指導のあるべき姿など、泌尿器領域の医療者としての階段を一段上がるために必要な内容も網羅されています。ひとえに、ご執筆いただいた先生方のお力添えのおかげであり、この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうございました。 本特集のなかで私は、看護の部分を担当し、構成や執筆者の選定を行いました。多くの読者の皆さんと同じように、執筆の経験はないけれども、臨床の最前線にいる病棟スタッフに「チャンスだから書いてみませんか?」と無理を言って引き受けていただきました。臨場感がある内容で、読んだら直ちに役立つ内容になっているのでは? と思っています。ぜひ、お楽しみください。(帶刀朋代)帶刀朋代 Tomoyo Taito東京医科大学病院看護部 皮膚・排泄ケア認定看護師神波大己 Tomomi Kamba熊本大学大学院生命科学研究部 泌尿器科学講座 教授と

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