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12 2021 vol.26 no.6(542)01きほんの特集「新人ナース応援号」 ポイント厳選! ここだけ覚える整形外科の手術イラストノート【上肢の手術】肩腱板修復術肩腱板修復術ってどんな手術? 腱板とは、肩甲骨から始まり上腕骨頭の周りに付着する筋肉で、肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の4つで構成されています。腱板は腕を上げたり、回旋させたりするのに必要な筋肉です。加齢やケガによって腱板が上腕骨から剥がれた状態を腱板断裂といいます。 断裂が小さく、痛みがおもな訴えの患者さんに対しては、注射やリハビリテーションによる保存治療を、保存治療で痛みが改善しない人、断裂が大きく腱板を修復できなさそうな人には手術治療を選択します。 手術では、スーチャーアンカーとよばれる糸付きねじを腱板付着部の内側の骨内に埋め込み、糸を断裂した腱に掛けます。次に、上腕骨外側に糸を固定するためのアンカーを埋め込み、腱板に掛けた糸を引っ張って、腱を付着部に圧着させた状態で固定します。イラストでわかる肩腱板修復術大阪大学整形外科 助教 佐原 亘 さはら・わたる断裂が小さい場合のおもな症状は痛みである。腕を動かしたときに痛むだけでなく、夜間に痛みで目が覚めることもある。どんなときに痛いのかよく聞いておく。断裂が大きいと、「力が入らない」「腕が上がらない」と訴えるようになる。日常生活で困っていることを聞いておく。腱板の修復方法はいくつかあるが、ここではスーチャーブリッジ法について説明する。腱板付着部の内側にスーチャーアンカー(糸付きねじ)を挿入し、腱板に糸を掛け、上腕骨外側に別のアンカーを入れて腱板を糸で骨に圧着させるように固定する。術前の状態術後の状態棘上筋腱の断端肩峰鎖骨上腕骨頭関節窩アンカースーチャーアンカー腱の断端を糸で骨に圧着させる

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