130132150
10/14

8整形外科看護 2021 春季増刊脊椎骨の集合体を脊せき柱ちゅうとよびます。脊柱は身体の芯棒に相当し、二足歩行を行うヒトの体幹を支持し、同時に上下肢の神経を束ねる脊せき髄ずいを保護する役割を持っています。正面から見ると真っすぐに並んでいます。側面から見ると、頚椎が前方に弯曲し、胸椎は後方に、腰椎は再び前方に弯曲、仙椎が後方に弯曲して、S字を上下に2つ重ねたようなカーブを持っていることが立位や歩行のときにバランスを取るために重要です。とくに頚椎や腰椎が後方に弯曲すると、首下がりや腰曲がりの状態になります。脊椎の部位を表す略号として、英語名称の頭文字をとって、頚椎(cervical spine)はC、胸椎(thoracic spine)はT、腰椎(lumbar spine)はL、仙椎(sacral vertebrae)はSとされます。例えば、第5頚椎はC5、第4腰椎はL4とよびます。胸椎はThと書いて、「テーハー」と発音されることがありますが、これはドイツ語読みで、今後はTと書いて「ティー」と発音する英語読みがよいでしょう。東京医科歯科大学大学院整形外科学教授 大川 淳1骨脊 柱前面尾椎頚椎けいついようついせんついびついきょうつい胸椎腰椎仙椎側面後面※側面から見ると、Sを2つ重ねたような弯曲でバランスをとっています。

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る