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産業保健と看護2021春季増刊11Part 0 背景を知るメメメメメメメメメメメメメメメメメメメメメメメPart01でしょう。しかし、そのほかにもストレッサーは多く存在しており、基本的にはストレスをゼロにすることは不可能です。とくに、職場で見られやすいストレッサーには表3のようなものがあります。 また、ストレッサーによって引き起こされるストレス反応は、身体面・心理面・行動面の3つに分けることができます。身体面でのストレス反応には、体の節々の痛み、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠など、さまざまな症状があります。心理面でのストレス反応には、活気の低下、イライラ、不安、気分の落ち込み、興味・関心の低下などがあります。また、行動面でのストレス反応には、飲酒量や喫煙量の増加、仕事でのミスや遅刻欠勤の増加などがあります。ストレスをゼロにすることは不可能ですが、ストレスが強く、長く続くことにより、これらの反応が悪化し、ストレス性の疾患へとつながってしまうことがあります(図3)。図3 主なストレス反応(文献2より転載)身体的反応・肩こり・疲労・腰痛・めまい・目の疲れ・頭痛・不眠・下痢心理的反応・イライラ・怒り・気力・集中力低下・不安・うつ気分・落ち込み行動的反応・生活の乱れ・性欲減退・飲酒・喫煙量増加・暴飲暴食・ギャンブル・遅刻欠勤身体疾患・消化器系疾患・循環器系疾患・自律神経失調症・免疫系疾患・生活習慣病精神疾患・うつ病・パニック障害・アルコール依存症・不安障害・PTSD表3 職場の主なストレッサー①仕事量の増加(長時間労働、過重労働など)②仕事の質の問題(行動の技術が必要、責任が重い)③地位、役割の変化(昇進、降格、配置転換)④仕事上の失敗・トラブル・損害や法律問題の発生⑤人間関係の問題(上司と部下、同僚、顧客との関係、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなど)⑥適性の問題(能力や性格)⑦その他(文献2より転載)図2 ストレスがかかった状態ストレス状態(ボールの歪み)ストレッサー(ボールを押す指)

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