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自宅で測定できる眼圧検査はじめに外来診察中に眼圧の話題で,患者さんから「眼圧値は自分ではわからないので困りますよね.自分で測れるといいのですが」と言われたことがないだろうか.従来なら,「眼圧はよほど高くない限りは自分ではわかりませんね.ですから病院に来ていただき,検査する必要があります.また来月も必ず診察に来てくださいね」などと答えるのが常であっただろう.しかし今は,それが正しい説明とは限らない.筆者は,「実は,自宅で測定できる眼圧計があります.1台40万円ほどしますので,家庭用血圧計のように気軽に購入していただくというわけにはいかず,あまり普及はしていません.ただ当院では,患者さんのご希望があれば,追加の費用負担なく眼圧測定器を貸し出しています.器械の操作には少し慣れが必要ですので,30分ほど説明の時間を改めていただきます.」と答えている.図1に当院で自己眼圧測定について説明を行うときのために配布しているリーフレットを示す.本稿では,入院することなく通常の日常生活の中で自己眼圧測定ができる眼圧計について,『眼科グラフィック』ならではの動画も用いて初学者にもわかりやすく説明する.「アイケアHOME手持眼圧計TA022」 (図2)(  )アイケアHOME手持眼圧計TA022(以下,アイケアHOME)は,アイケアフィンランド社製で,日本では(株)エムイーテクニカが取り扱っている.定価は48万円.専用のディスポーザブルプローブは50本入り定価12,000円(1本当たり240円)となる.メーカー推奨ではないが,通常のア生杉謙吾 Kengo Ikesugi三重大学大学院医学系研究科神経感覚医学講座 眼科学〒514-8507 三重県津市江戸橋2-174メイン特集 1図1 自己眼圧測定のリーフレット256眼科グラフィックvol.10 no.3 2021

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