44 適切な訪問看護事業を行うため、指定訪問看護事業者や職員に各種の責務が課されています。また、主治医や市町村等との連携を図り、訪問看護指示書と訪問看護計画書に基づいた、妥当適切な訪問看護を行うことが求められています。 訪問看護の対象者は、介護保険であれば、高齢者であり非がんの終末期も含まれます。医療保険であれば、がんの末期、身体障害、精神障害、医療的ケア児などさまざまな方が対象となります。訪問看護ステーションを開設する際には、どのような看護を提供したいのかを検討する必要があります。前述の対象者により、主にがんの末期の方へターミナルケアを提供したい、精神障害者の地域社会での生活を支援したい、医療的ケア児の地域における成長を支援したいなど対象者によるやりたい看護を実現することも考えられます(図2-1-2)。 また、在宅療養を継続するために、看護とリハビリテーションが協働し、心身の生活状態を共有し、その方が目指す在宅療養を継続できる心身の状況を実現する看護をやりたい看護と考えている場合もあります。 対象者は限定しないで、地域住民の在宅療養の継続を地域の多職種とチームを作り支援することをやりたい看護と考える場合もあります。管理者自身、スタッフの強みを再点検 自分の強みは、何でしょうか? 訪問看護ステーションでは、管理者個人の強みも大事ですが、スタッフ全員で強みを整理することにより、やりたい看護を明らかにすることができます。在宅療養の推進が進められる現状では、医療機器などの管理が必要な利用者も増加しています。また、専門看護師や認定看護師、特定行為の研修修了者の訪問看護師も増加しています。医療機関で退院調整を行っていた、化学療法や放射線療法などの対象者に看護を提供していたなど何を強みとするかを整理することから始めましょう。整理をしていると自身やスタッフの強みが見えてきて、こんなにたくさんの強みがあることに驚くことでしょう。Let’s Try!押さえておきたいポイント21章どんなステーションをつくるか②提供したい看護、自分の強みを整理する制度の対象者は幅広い。提供したい看護を実践できる法制度・仕組みの必須知識図2-1-2 誰にどんな看護を提供するか医療的ケア児高齢者地域への貢献精神科訪問看護
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