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45 訪問看護事業を開業する際にどこの地域で開業するかは、その事業所が決定し、都道府県知事等に申請を行い、指定を受けます。 訪問看護ステーション数は、現在約12,000箇所(2020年6月23日全国訪問看護事業協会)、令和元年からの増加数は、770件(増加率6.4%)です。しかし、2019年度中の廃止数は、526件(廃止率4.7%)でした。廃止理由は、2.5人の人員の確保ができない、利用者確保ができないが主にあげられています。訪問看護ステーションを開設する際には、他の事業と同様、エリアマーケティングを行い、利用者確保により月間の収支がマイナスの期間を少なくし、人員計画に基づくスタッフの確保を行えることが成功の秘訣です。 エリアマーケティングの内容は、対象とする地域の高齢者人口、障害者人口、医療的ケア児などの数を調べることから始まります。(図2-1-3A)また、地域医療構想や医療計画、介護保険(支援)事業計画から地域の在宅医療の実情を把握します。その地域で目標とされている訪問看護ステーション数や訪問看護師数など指標になるデータを探すことです。その中に含まれているのが、医療機関(病床)数や介護保険サービス事業所数などであり、その数から利用者の見込み数を検討します。 訪問看護ステーション数の一つの目安として使用されているのが、「人口10万人あたりの都道府県別訪問看護ステーション数」です(図2-1-3B)。人口10万人あたりの平均数は6~8カ所で、21章どんなステーションをつくるか③どこの地域で開業するか―エリアマーケティングの基本都道府県知事等の指定を受ければ開業はできるが、開業場所は経営に大きな影響を与える法制度・仕組みの必須知識図2-1-3A 地域情報の例:筆者の事業所のある横浜市南区の概要10km項目数値面積12.63km2(人口密度 15,400/km2)人口194,497人世帯 93,609世帯(一世帯あたり人員 2.08人)65歳以上(老年)人口割合(75歳以上)24.6%(11.8%)生活保護率0.38‰地域包括支援センター8カ所(委託)第2章 訪問看護ステーションを開設する

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