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2 訪問看護制度は、1991年に今後増加する高齢者の在宅ケアを支えるために高齢者を対象に創設されました。1994年には、医療保険の対象である難病や小児をはじめとする障がい者やがんの末期の方など、年齢に関係なく在宅ケアすべての方を対象とし、さらに、2000年の介護保険制度の創設とともに、介護保険の対象者も含まれ、医療制度改革による在宅医療の推進において、訪問看護ステーションは、地域包括ケアシステムの医療サービスの中核を担う役割を期待されています。 全国の訪問看護ステーション数は、2000年の介護保険創設時には、4,730箇所でしたが、2012年に6,298箇所、2020年には11,931箇所に増加しています。特に2012年の診療報酬・介護報酬のダブル改定で在宅医療の推進が掲げられ、増加数が伸びています。一方、訪問看護ステーションの2019年新規届出数1,376箇所に対し、廃止数526箇所、休止数238箇所であり、廃止・休止する訪問看護ステーション数も増加しています。 全国訪問看護事業協会の目的は、「訪問看護事業の経営、サービスの質の確保向上等に関する調査研究等を行うことにより、訪問看護事業の健全な発展を図り、国民の保健福祉の向上に寄与すること」です。訪問看護事業者が増加することは、喜ばしいことですが、質の確保向上により訪問看護事業の健全な発展を遂げていただき、地域の利用者の意思決定支援を行い、その方らしい生活を実現できる事業者になっていただきたいと思います。 こうした思いを背景に、訪問看護事業所の開設を考えている方・これから開業する方々に参考としていただける書籍の発刊を目指しました。著者陣には、訪問看護実践者の方々を中心に、会計や労務に関する専門的な知識を必要とする項目は、訪問看護を理解している専門家の方にお願いしました。こうした方々のご協力により、当書籍『ここから始める 訪問看護ステーションの開設・運営ガイドブック』は、実践に役立つ具体的な内容を多く含んだ役立つ書籍とすることができたのではないかと思っています。最初のページから順にご覧いただく、あるいは、必要な箇所を振り返っていただくなど、訪問看護ステーションを開設する方々のお役に立てれば幸いと存じます。 最後に、執筆にご協力いただいたみなさまにおかれましては、新規訪問看護ステーションの開設を支援することにご理解をいただき、ご多忙のところ快くご協力いただいたこと、心より感謝申し上げます。2021年5月編著者を代表して一般社団法人全国訪問看護事業協会副会長 髙砂裕子はじめに

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