302260240
8/14

42 訪問看護事業は、基準を満たしたものとして都道府県知事等から指定を受けた事業者が行うことができます。指定を受けるための要件は、①申請者が法人であること、②人員の基準を満たすこと、③設備・運営の基準に従い適正な運営ができることです。この要件を満たした訪問看護ステーションとは、訪問看護を行う事業所であり、組織です。『組織』とは、デジタル大辞泉には、「一定の共通目標を達成するために、成員間の役割や機能が分化・統合されている集団」と記されています。その共通目標が、事業所の理念・目的・方針であり、一定の共通目標を達成するためには、事業所の理念・目的・方針を明確にし、管理者、スタッフに関係なくその事業所(組織)で働くものが共有し、何のために訪問看護を提供するのかを明らかにするものです。『理念』とは、その組織の存在意義や社会的使命などであり、組織がどうあるべきかという最も根本となる考え方です。『目的』とは、組織の成員が実現しようと目指す事柄です。『方針』は、目的を達成する方法や姿勢です。理念、目的、方針を共有することにより、組織に一体感が生まれます。図2-1-1Aは、訪問看護ステーションの理念、行動指針の例です。21章どんなステーションをつくるか①理念・目的・方針を明確にしておくステーションは共通目標に向かって動く“組織”法制度・仕組みの必須知識図2-1-1A 訪問看護事業の理念・行動指針の例浜松地区聖隷訪問看護行動指針Ⅰ.私たちは、訪問看護を必要とする方に迅速に丁寧に対応します。Ⅱ.私たちは、専門職として倫理と誇りを持ち最高の技術を提供するために、学び続けます。Ⅲ.私たちは、利用者家族に寄り添い、利用者を主人公として自己決定を支援します。Ⅳ. 私たちは、地域の課題に積極的に関わり、多職種とともに解決に取り組んでいきます。Ⅴ. 私たちは、共に研鑽し、成長できる職場風土を大切にします。理念私たちは、助けを必要とするいかなる人にも手を差しのべ、感謝と謙虚さを忘れず、訪問看護を通して地域に貢献します。2017社会福祉法人聖隷福祉事業団浜松地区訪問看護ステーションM.K1出典:全国訪問看護事業協会 訪問看護新任管理者研修会.尾田優美子氏資料,2020.

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る