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14きない場合や,来院時すでに腫脹が強く,水疱形成を認める場合などは,まずは創外固定を行い,時期をみて二期的に内固定手術を施行する.内固定を要する骨折部位は,わずかな転位も許容されない.腓骨の短縮変形や脛腓骨靱帯結合の離開が残存すると,比較的早期に外反型の変形性足関節症を引き起こす.1.外果骨折 外果の単独骨折は,重力ストレス撮影で三角靱帯断裂がないことを確認できたら,通常4~6週はヒールを付けたギプスシャーレで固定し,荷重を許可する.安定した骨折なので,比較的早期から可動域訓練は行う.内側の損傷(三角靱帯断裂あるいは内果骨折)がある場合の外果骨折は,観血的整復固定を行う.通常はプレートを用いて固定するが,特に高齢者で末梢骨片が小さい場合などは,遠位のスクリューホールが多いタイプのロッキングプレートは有用である.2.内果骨折 内果の単独骨折で転位のない場合は4~6週のギプス固定で治療するが,単独骨折でも転位が大きい場合は手術を行う.骨片が大きい場合はスクリュー2本で固定するが,骨片が小さい場合や骨粗鬆性変化のある場合は,スクリューにより十分な固定力が得られない,あるいは骨片が割れることがあり,引図1 三角靱帯断裂診断のための重力ストレス撮影の手技カセッテ足関節10°内旋X線ビーム図2 重力ストレス撮影による三角靱帯断裂診断A:ストレスなしでのX線写真.B:重力ストレス下のX線写真.距骨と内果の間の距離が4mm以上であれば,三角靱帯の断裂ありと診断する(矢印).AABB図3 骨折が内果上方までおよんで,2つの骨片に分かれている後果骨折(medial-extension type5))

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