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第1章足関節の骨折・脱臼ピロン骨折 A治療コンセプト0239 コンパートメント症候群の合併は多く見積もって5%とまれであるが7-9),骨幹端部,骨幹部に骨折が進展している場合には12.5%に発生するとの報告がある10).一般的に筋肉量の多い若い男性,高エネルギー外傷がコンパートメント症候群発生のリスク因子であることも念頭に置いて診療する.また,遠位が阻血になる血管損傷の合併もまれであるが,約半数のピロン骨折で前脛骨,後脛骨,腓骨動脈のいずれかの損傷があるといわれている11).このことは,皮弁術などの軟部組織再建術を行う必要がある場合に重要である.診 断 足関節正面像,側面像,モーティス像を撮影する.脛骨正面像,側面像を撮影することで膝を含めたアライメント評価ができる.健側の足関節単純X線は整復目標として内固定術前計画で作図するため必須である. 受傷時の足関節肢位により,足関節背屈位で脛骨天蓋の前方(図1),底屈位で後方,中間位で前後方両方の骨折が生じると考えられている.また受傷時単純X線の初期転位により外反型(図2,図3),内反型(図4)および中間型(図1)に分類できる.図1 AO/OTA分類43B 背屈型ピロン骨折A・B:受傷時単純X線正面像(A)と側面像(B).C・D:一時的創外固定術後単純X線正面像(C)と側面像(D).E・F:内固定後単純X線正面像(E)と側面像(F).腓骨骨折はない.近位創外固定ハーフピンは,二期的内固定のプレートと重ならないだろう位置に挿入している(丸印).DDEEFFAABBCC

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