第1章足関節の骨折・脱臼足関節果部骨折 A治療コンセプト0113表1 足関節骨折治療の概略骨折分類とStageごとの治療の概略を示す.脛腓骨靱帯結合の高さでの骨折Lauge-Hansen分類回外-外旋骨折,Haraguchi分類外旋骨折Stage 1Stage 2Stage 3Stage 4損傷部位前脛腓靱帯断裂Stage 1+外果螺旋骨折Stage 2+後果骨折(あるいは後脛腓靱帯断裂)Stage3+内果骨折(あるいは三角靱帯断裂)治療の概略保存保存手術手術短期外固定と装具療法・腫脹が引くまでの1週程度のシーネ固定で免荷の後,4~6週の歩行ギプス固定を行い,全荷重を許可する・初診時にStage 2にみえても必ず重力ストレス撮影を行う.三角靱帯断裂があればStage 4となり,手術適応となる・後果骨折は外果と内果を固定し,術中透視画像で後果の転位がなければ,後果は通常固定しない・CT画像で骨折部に関節軟骨を含む圧潰した骨片を伴う後果骨折は,後外側アプローチにより整復固定する・内側に至る大きい後果骨片で,2つに分かれている後果骨折は,内側骨片のみ内側アプローチから整復・固定する・骨片が大きい場合は海綿骨用スクリュー2本で固定するが,骨片が小さかったり骨粗鬆症のある場合は,引き寄せ鋼線締結法で固定する・内側が三角靱帯断裂の場合,縫合は不要・この型の骨折には脛腓骨靱帯結合スクリューは不要脛腓骨靱帯結合より高位の骨折Lauge-Hansen分類回内-外旋骨折,Haraguchi分類外旋-外転骨折Stage 1Stage 2Stage 3Stage 4損傷部位内果骨折Stage 1+前脛腓靱帯断裂+骨間膜断裂Stage 2+腓骨高位骨折Stage 3+後果骨折(あるいは後脛腓靱帯断裂)治療の概略保存あるいは手術手術手術手術・6週程度のギプス固定・転位が大きい場合や,早期復帰を望む場合はスクリュー固定・骨片が大きい場合は海綿骨用スクリュー2本で固定するが,骨片が小さかったり骨粗鬆症のある場合は,引き寄せ鋼線締結法で固定する・Stage 1に準ずる.脛腓骨靱帯結合の開大があればスクリュー固定する・脛腓骨靱帯結合が離開している場合はMaisonneuve骨折を合併している可能性があるので,必ず下腿全長2方向撮影を行う・腓骨を正確に整復しプレート固定する・内果骨折をスクリュー固定した場合は脛腓靱帯結合のスクリュー固定は不要・内側が三角靱帯断裂の場合,腓骨の骨折が関節面から4.5cmより近位にある場合にのみ脛腓靭帯靱帯結合をスクリュー固定する・Maisonneuve骨折では脛腓靱帯結合をスクリューで固定し,腓骨骨折そのものは整復固定しない・後果骨折は外果と内果を固定し,術中透視画像で後果の転位がなければ,後果は通常固定しない・CT画像で骨折部に関節軟骨を含む圧潰した骨片を伴う後果骨折は,後外側アプローチにより整復固定する・内側に至る大きい後果骨片で,2つに分かれている後果骨折は,内側骨片のみ内側アプローチから整復・固定する
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