10 眼科グラフィック2021年別冊眼瞼の構造および生理 眼付属器は眼瞼,眼窩,涙器といった多様な構造物で成り立ち,眼球の機能をサポートしている.その中で眼瞼は,眼球を保護し,視機能を発揮するための重要な機能を担っている. 眼瞼の構造を理解するにあたって,“動的”と“静的”の双方でその働きを理解する必要がある.つまりは,瞬目に伴う動的な眼瞼の動きと,開閉瞼の静止した状態での眼瞼の位置を,評価しなければならない.前者については,上眼瞼の眼瞼挙筋能(levator function;LF)が特に重要であり,後者については,上下眼瞼縁と瞳孔間距離(mar-gin reflex distance;MRD,MRD-1:上眼瞼縁~瞳孔中心,MRD-2:下眼瞼縁~瞳孔中心)が主に評価の対象となる(図1).人種や年齢によってばらつきが大きいが,東アジア人の正常LF,MRD-1, MRD-2はそれぞれ10mm以上,3~眼瞼手術に必要な解剖1解剖章三村真士 Masashi Mimura大阪医科大学 眼科学教室〒569-8686 大阪府高槻市大学町2-7野田実香 Mika Noda井上眼科病院〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台4-3図1 開瞼時.若年女性の正面視時における左眼拡大像 内眼角上眼瞼MRD-1MRD-2垂直瞼裂幅(瞼裂高)水平瞼裂幅(瞼裂幅)上眼溝(重瞼線)下眼瞼外眼角▲▲▲▲▲▲▲▲
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