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眼科グラフィック2021年別冊 13解剖  眼瞼手術に必要な解剖1章③ 眼窩隔膜 眼窩隔膜は眼窩縁にarcus marginalisとともに付着し,眼窩内組織とその周辺組織との境界を形成している(図6).周辺の一部では厚みや光沢を持つ箇所もあるが,瞼板に近い場所では,疎な薄いフェルトのようであり,特に眼瞼手術中は膜と認識しにくいこともある.機能的には,眼瞼の炎症などを眼窩に侵入させないようにブロックする重要な役割を果たし,MRI矢状断では膜状構造として認められる.2)眼瞼後葉① 瞼板 瞼板のサイズは個人差があるが,横幅約25mm厚さ約1mmで,縦幅は上眼瞼で10~12mm,下眼瞼で4~5mmである.上眼瞼板の形にもタイプがあり,sickle(55%),triangular(29%),瞼板部隔膜部眼窩部図5 眼輪筋 瞬目に関わる.機能的に3 層に分かれる. ミュラー筋ミュラー筋眼瞼挙筋眼瞼挙筋眼窩脂肪眼窩脂肪Whitnall靱帯Whitnall靱帯眼窩隔膜眼窩隔膜線維性脂肪組織線維性脂肪組織眼瞼挙筋腱膜眼瞼挙筋腱膜眼輪筋眼輪筋図6 上眼瞼の解剖 上眼瞼の矢状断シェーマ.薄い眼瞼に数多くの器官が含まれ,複雑な構造をなしている.

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