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 介護保険が創設されてから20年余りが経過しましたが、その間、介護保険は介護や認知症の社会化を大きく推進するなど社会を変革するとともに、社会や経済等の変化に対応して幾多の制度改正を行ってきました。 事業所の管理者は、都度、限られた時間の中で制度改正の内容を隅々まで把握したうえで新たな方針を定め、事業の展開を図っていくことが不可欠となっています。管理者の理解不足は、事業所の収益に大きな影響を及ぼしてしまうため、「知りませんでした」は決して通用しないのです。 今回の改正では、新型コロナなどの感染症の感染拡大や、地震や集中豪雨などの大規模災害等によって日常生活が一変するような事態となっても、必要なサービスを安定的・継続的に提供していくための事業所の体制づくりや、研修・訓練等の取り組みに関して新たな規定が設けられました。 また、科学的な介護関連のデータの評価とサービスの質の評価をさらに推進し、リハビリテーションや機能訓練、口腔・栄養ケアを連携して進めていくために必要な事業所の取り組みが位置づけられました。 一方、介護人材不足は引き続き厳しい状況にあり、介護職員の更なる処遇改善に向けた環境整備や、介護職員のやりがい・定着にもつながる職場環境の改善に向けた取り組みが推進されることとなります。 本書はこのような介護保険制度や介護報酬の改正のポイントを分かりやすく解説し、多忙な管理者にとって効率的に短時間で理解できる内容となっています。管理者は、まずは自身が確実に内容を把握し、必要に応じて専門職や職員に情報を共有しながら、目指すべき事業所運営の実現を図っていくことができると思います。 また、管理者以外の専門職で、制度の理解不足により事業所に大きな不利益を及ぼしてしまった場合、個人責任を問われることも少なくないのが現状です。このため、改正内容をしっかりと理解したうえで日常業務に取り組んでいくことが必要です。2021年4月一般社団法人日本ケアマネジメント学会副理事長認定ケアマネジャーの会顧問 白木裕子はじめに3

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