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サンプルページアニメーション・動画※視聴方法は16ページをご覧ください循環器E‌X疾患と看護 ❷1131本収録!第4章●循環器疾患の主な治療・処置と看護薬物療法/カテーテル治療/開心術/補助循環療法/植込み型心臓デバイス/心臓リハビリテーション第2部 循環器の疾患と看護第5章●心不全心不全/肺性心第6章●血圧異常高血圧症/低血圧症第7章●アテローム性動脈硬化症アテローム性動脈硬化症第8章●冠血流障害(虚血性心疾患)狭心症/急性冠症候群(ACS)第9章●刺激伝導系の障害徐脈性不整脈/頻脈性不整脈第10章●弁機能の障害弁膜疾患第11章●先天性の心臓の形態異常先天性心疾患第12章●心筋障害心筋症/心筋炎/心臓腫瘍第13章●心膜の異常(心膜炎)心膜炎/心タンポナーデ第14章●血管の器質異常動脈系/静脈系第15章●循環器以外の原疾患による循環器系の障害および心不全癌性リンパ管症・リンパ浮腫・上大静脈症候群/心毒性の薬物による心不全第3部 事例で学ぶ循環器疾患患者の看護第16章●生活習慣病一次予防のポピュレーションアプローチ第17章●慢性心不全による入退院を繰り返す患者の看護第18章●心不全で最期を家で迎える患者の看護血管の器質異常14大動脈解離大動脈瘤・大動脈解離の病態大動脈瘤の症状大動脈瘤・大動脈解離の看護大動脈解離の治療突然の激しい胸背部痛,腹痛,ショックなど腹部大動脈瘤の腹部膨隆と拍動性の腫瘤蝕知胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(CT)人工血管置換術やステントグラフト内挿術などを行う.写真は上行大動脈解離に対する人工血管置換術.Stanford A型急性大動脈解離(胸部X線)上縦隔の拡大と急性大動脈逆流による急性左心不全の肺うっ血を認めるStanford B型急性大動脈解離(CT)a.偽腔閉鎖型真腔と偽腔が交通していないb.偽腔開存型フラップにできた裂口(tear)によって真腔と偽腔が交通している急性期は侵襲が高い治療となるため,患者の状況を把握し,確実な手術につなげる.術後も動脈硬化を基因とした長期的な療養の必要があり,患者の状況にあわせたケアを行う.真正大動脈瘤仮性大動脈瘤大動脈解離血管壁構造の欠損エントリー(内膜亀裂)粥腫(プラーク)偽腔真腔フラップ壁在血栓ba2967動脈硬化症カイン,ROSが炎症のメディエーターとなる.後者は抗原特異的な反応であり,マクロファージや樹状細胞がリポタンパク,熱ショックタンパク,感染性病原体などによって抗原提示細胞となることから開始する.動脈硬化病変には細胞傷害性T細胞も存在し,Fasリガンドを発現し,Fas受容体を発現する血LDL酸化LDL白血球(単球)マクロファージ泡沫細胞平滑筋細胞平滑筋細胞平滑筋細胞線維血管内皮細胞内膜中膜外膜LDLLDLLDL酸化LDL酸化LDLサイトカインサイトカイン白血球(単球等)白血球(単球等)酸化LDL酸化LDLマクロファージになるマクロファージになる貪食する貪食する泡沫細胞になる泡沫細胞になる脂肪線維脂肪線維プラークの形成プラークの破裂線維性変化線維性変化プラークの肥厚サイトカイン内皮細胞内膜中膜外膜内皮細胞内膜中膜外膜①喫煙,糖尿病,脂質異常症,高血圧は,血管の内皮を傷つける.コレステロールを運ぶLDL(低比重リポタンパク)は,次々と傷ついた内皮から,内膜に入り込む.②LDLは内膜で酸化LDLになる.酸化LDLはサイトカインを産生する.サイトカインによって,単球やTリンパ球などの白血球が集まってくる.③単球は内膜に入るとマクロファージになり,酸化LDLを貪食する.貪食していくとマクロファージは泡沫細胞になる.酸化LDLが増加すれば,泡沫細胞の増加につながっていく.④内膜での,酸化LDLの貪食,マクロファージの泡沫細胞化といった反応で生まれた刺激を受けて,中膜の平滑筋細胞が内膜に移動する.内膜に移って集まってきた平滑筋細胞や泡沫細胞などによりプラークが形成される.平滑筋細胞によってプラークの被膜の線維性変化が起こる.⑤プラークは肥厚していき,成長したプラークが破裂すると血栓が形成される.図7-2■粥状動脈硬化の発症機序52019/8/7 再校アテローム性動脈硬化症7アテローム性動脈硬化と動脈硬化性疾患動脈硬化性プラークの特徴・脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)・脳出血・くも膜下出血頸動脈狭窄虚血性心疾患・心筋梗塞・狭心症・腎硬化症・腎血管性高血圧末梢動脈疾患正常血管初期のアテローム不安定プラーク急性心筋梗塞安定プラーク(脂質が多い)(脂質は少ない)破綻し,血栓を生じたプラーク亀裂が治癒したプラーク(内膜の線維化・狭小化)・大動脈瘤・大動脈解離アテローム性動脈硬化症の看護高血圧,脂質異常症,喫煙,肥満,糖尿病といった動脈硬化の危険因子を是正する.そのための情報提供や生活是正の支援に向けたコンサルテーションを行う.176冠血流障害(虚血性心疾患)8狭心症安定狭心症ST上昇ST上昇型心筋梗塞非ST上昇型心筋梗塞不安定狭心症心筋梗塞急性心筋梗塞(AMI)急性冠症候群(ACS)亜急性心筋梗塞陳旧性心筋梗塞狭窄:血流低下(虚血)不完全閉塞閉塞:血流途絶(壊死)完全閉塞急性冠症候群(ACS)を疑ったら心電図でST上昇を確認し,リスク評価を行う.心筋梗塞,心膜炎などで心筋の心外膜側に障害が及ぶとSTは上昇する.なしあり動脈硬化などで冠動脈が狭くなると,心筋に必要な血液が不足するようになり,胸痛を来す.これが狭心症である.狭心症からさらに動脈硬化が進み,なんらかの原因で血管内のプラークが破れて冠動脈の血管内に血栓が生じ,完全に詰まって心筋への血流が途絶した状態.狭心痛:圧迫感,絞扼感放散痛:左肩,左腕,頸部など急性期には,梗塞拡大の予防,苦痛の緩和,合併症の予防と早期発見が重要である.回復期は心機能を評価しながら,生涯にわたる日常生活での療養を支援する.冠危険因子に対する日常生活の是正狭心症や心筋梗塞などは,アテローム性動脈硬化を基盤として発症する.脂質異常症,高血圧,糖尿病,肥満,喫煙や慢性腎臓病などの冠危険因子を予防・是正することが重要である.冠血流障害の症状冠血流障害の治療狭心症と心筋梗塞 冠動脈の狭窄・閉塞により,心筋への血流が阻害され,心臓に障害が起こることを虚血性心疾患という.185豊富な図解・写真で視覚的にわかる!

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