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サンプルページアニメーション・動画※視聴方法は16ページをご覧ください消化器E‌X疾患と看護 ❸1158本収録!第11章●膵臓の疾患膵炎/膵癌第12章●腹膜・腹壁・横隔膜の疾患腹膜炎/ヘルニア/腹部外傷/急性腹症第3部 事例で学ぶ消化器疾患患者の看護第13章●幽門側胃切除を受ける胃癌患者の看護第14章●急性腹症で緊急入院した大腸癌患者の看護第15章●嚥下障害のある食道癌術後の高齢者の看護第16章●潰瘍性大腸炎の患者の看護小腸・大腸・肛門疾患8感染により虫垂が炎症を起こした状態進行癌潰瘍性大腸炎虚血性大腸炎薬剤性大腸炎過敏性腸症候群クローン病大腸憩室症腸結核直腸脱腸閉塞大腸癌右側結腸:貧血,腹部腫瘤     便が液状のため,閉塞症状は起こりにくい左側結腸:血便,癌による通過障害で,腹痛,腹部膨満感,便秘,下痢免疫異常などの関与が考えられる肉芽腫性炎症疾患大腸の粘膜に炎症が生じ,びらんや潰瘍を形成する非特異性炎症性腸疾患薬剤によって,大腸や直腸にびらんや潰瘍を発症する下痢,血便,腹痛,発熱,体重減少,栄養障害,貧血,関節痛,皮膚病変症状下痢,腹痛,血便,下血,発熱抗菌薬が多いほかにNSAIDsや抗がん薬症状早期:血便がきっかけになることが多い   特異症状はなし進行:排便時の違和感,便の細小化.腸閉塞症状は起こしにくい.辺縁動脈中結腸動脈右結腸動脈回結腸動脈内腸骨動脈中直腸動脈下直腸動脈上腸間膜動脈腹部大動脈下腸間膜動脈左結腸動脈S状結腸動脈上直腸動脈原因となる薬剤強い腹痛(特に左下腹部),下血(鮮血)症状大腸の過剰な収縮で大腸を栄養する血管に血流異常が生じ,大腸粘膜に腫れやびらん,潰瘍が発生するヒト型結核菌が腸に感染する腸管感染症大腸の管腔内圧が上昇し,大腸壁が圧迫されて外方に突出する大憩室症形態的(器質的)な異常がないにもかかわらず,慢性的に下痢や便秘などの便通異常と腹痛や膨満感,腹部不快感などの腹部症状を引き起こす病態の総称.肛門から直腸(全層)が脱出する虫垂炎感染により虫垂が炎症を起こした状態脱 肛肛門や直腸粘膜が肛門外に脱出する裂 孔歯状線より肛門側に傷がついて肛門上皮が裂けたり,痔核が脱出することで周囲の粘膜が引っ張られて起こる(肛門粘膜脱)ここがちがう!大腸ポリープ大腸ポリポーシス粘膜由来の良性腫瘍臨床的には,大腸の内側にできるイボのように盛り上がった病変のことをいう100個以上のポリープという癌化のリスクがある通常,無症状.大きくなると血便,下血になることもある症状・大腸粘膜から発生する悪性腫瘍・結腸癌と直腸癌に分けられる・ほとんどが腺癌である症状症状腸内容の通過が障害され,腹部膨満や腹痛を来す急性の状態腸管の狭窄,閉塞による器質的な通過障害腸管の運動麻痺やけいれんによる腸管内容物の停滞痔 核肛門付近に生じる静脈瘤痔 瘻肛門周囲膿瘍が排膿されるときに,肛門小窩から肛門周囲の皮膚の間に形成されたトンネル状の通路口側(直腸)外側(肛門)歯状線内痔核外痔核混合痔核またがる(内外痔核)潰瘍性大腸炎クローン病びらん潰瘍陰窩膿瘍肉芽腫粘膜筋板粘膜下層固有筋層漿膜横行結腸癌上行結腸癌下行結腸癌S状結腸癌直腸癌盲腸癌早期癌進行癌粘膜粘膜筋板粘膜下層固有筋層漿膜下層漿膜形態的(器質的)な異常がないにもかかわらず,慢性的に下痢や便秘などの便通異常と腹痛や膨満感,腹部不快感などの腹部症状を引き起こす病態の総称 潰瘍性大腸炎は主に粘膜に起こる病変であり,固有筋層には影響しないが,クローン病は全層性に病変を来す左側大腸に好発する.下腸間膜動脈の血流領域で発生するため,横行結腸まで広がることはない結腸癌直腸癌機械的腸閉塞イレウス224消化器疾患と看護_02部08章.indd 2242019/10/02 16:45図11-5■内視鏡的膵管拡張術膵液の流れが良好になる十二指腸膵臓内圧が上昇して太くなった膵管膵管の狭い部分ガイドワイヤー膵管ステント狭い膵管を広げる内視鏡図11-6■内視鏡的膵石除去術膵石細かく砕かれた膵石十二指腸膵臓体外衝撃波結石破砕術膵石除去のためのバスケットカテーテル内視鏡図11-7■膵管空腸側々吻合術太くなった膵管を切開し,空腸を切り離して持ち上げ,切開した膵管と縦に縫い合わせる.持ち上げた空腸と切り離した空腸をつなぎ直すと,膵液は腸内へスムーズに流れるようになる.太くなった膵管を切開する胃空腸十二指腸3膵炎の患者の看護 膵炎に対する治療は,重症度と成因によって異なる.急性膵炎は,複雑な病態を背景に他臓器に影響を及ぼす.主訴や身体所見,検査データなどから総合的に把握することが重要となる.一方で,慢性膵炎においては,飲酒をはじめとした生活習慣にいかにアプローチできるかが鍵となる.急性膵炎 急性膵炎の基本的な治療は,十分な輸液と呼吸・循環動態の管理,膵臓の安静である.重症例ではショックや播種性血管内凝固症候群*(disseminated 播種性血管内凝固症基礎疾患に続発してざまな原因により血広範に血液凝固(播管内凝固)が起こりため凝固因子,血小費され,出血傾向と管内の血栓によるよって組織壊死や臓を来す症候群.*細径プローブの観察範囲腸管壁腫瘍細径プローブスコープ図3-20■細径プローブによる超音波内視鏡検査10㎜大の早期胃癌のNBIによる特殊光観察.陥凹部に不整な血管を認め,形態より深達度が粘膜下層に及ぶがんが疑われた.の粘膜第2層の低エコーが途切れ,粘膜下層に低エコー腫瘤が浸潤()している.粘膜下層浸潤癌で,小さい腫瘍ではあるが外科手術となる.粘膜内癌であれば内視鏡治療の適応であり,深達度の診断で治療方針が変わる.細径の超音波プローブをスコープの中に通し,腸管壁の腫瘍等を観察する.管腔を膨らませるために水をためて検査する.abc図3-21■超音波内視鏡の検査法先端に超音波装置が搭載されたコンベックス型の超音波内視鏡専用機と,スコープの中を通る穿刺針a実際の超音波内視鏡画像.低エコーの膵臓の腫瘍に針を刺し,細胞を採取している().c穿刺針腫瘍胃膵臓超音波内視鏡b体外からの超音波で見るより,胃や十二指腸から胆道・膵臓の病変をより詳細に観察できる.3消化器の検査と看護は診断できない消化管の壁内や,壁外の膵臓・胆囊・胆管の状態を観察するための検査である.超音波内視鏡には,スコープの中を通す細径プローブと,上部消化管内視鏡の先端に超音波装置が搭載された超音波内視鏡専用機(コンベックス型,ラジアル型)がある. 細径プローブは,スコープの中を通して胃や大腸などの消化管や胆管の壁を観察する(図3-20a).高い周波数で画質が良いが,深い部位の観察は苦手である.早期癌の深さの診断や粘膜下腫瘍の診断など,比較的小さい病変に用いられる(図3-20b,c). 一方,コンベックス型の専用機は,スコープの先端が超音波装置になっており,中に穿刺針が通る仕組みになっている(図3-21a).膵臓や胆管は十二指腸,胃に近接しており,体外からの超音波で見るより,より詳細に胆道・膵臓の病変を観察できる(図3-21b).図3-21cのように専用の穿刺針で膵臓の腫瘍から組織を採取して診断したり(EUS-FNA,超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診),胆管の場合はERCPの手技を応用してドレナージチューブや金属ステン1158小腸・大腸・肛門疾患める.高齢者の場合には,痛みの感覚鈍麻や認知症によって症状の発現時期を覚えていない可能性も考慮して,アセスメントする. 大腸憩室は,無症状の中大腸の内視鏡検査や造影検査で見つかることが多い.治療を必要としない患者が多いが,発症の予防のために食物繊維の摂取を勧めたり,痛みがある場合は早期に受診するよう指導する.特に後期高齢者の場合には,同居している家族や施設の医療・福祉専門職に,憩室の存在および憩室炎や憩室出血の可能性と症状について説明しておく.大腸憩室炎のCT所見大腸憩室出血の内視鏡所見出血狭窄穿孔憩室炎図8-25■大腸憩室の合併症大腸憩室炎の超音波所見図8-26■憩室出血の治療a 大腸憩室出血の内視鏡像b 大腸憩室出血の内視鏡治療(クリッピング)後257図解で病態と疾患のポイントを整理!手術の詳細もわかる豊富な画像やイラストで理解が深まる!

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