nursingraphicus2021
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69サンプルページアニメーション・動画23本収録!周術期看護成人看護学 ❹121周術期に関連する基礎知識13図解1●周術期における医療者の関わり外回り看護師①患者情報の再確認(看護計画確認) ②物品準備 ③麻酔導入時の援助 ④気管挿管時の援助 ⑤感染対策(予防的抗菌薬の投与)⑥体位固定 ⑦体温管理 ⑧水分バランス管理 ⑨安全対策(摘出された検体の取り扱い)器械出し看護師①手洗い・ガウンテクニック後,機器の使用点検 ②術中の器械出し(術野の情報から必要な器械の提供/手術部位感染防止の観点から,不潔区域を認識し清潔に器械を受け渡す)外回り看護師①体内遺残の防止(術野外のガーゼ類のカウント)②抜管・覚醒時の援助③全身状態の観察④退室時の準備(継続看護を視野に入れた術中の看護記録・評価)⑤術後の申し送り器械出し看護師①体内遺残の防止(術野に用いられたすべての器械・針・血管テープ・ガーゼ類など術野内のカウント)②廃棄物の処理*①継続看護の視点からの術後訪問(患者の術後状態の観察・情報収集) ②看護計画評価(術前・術中・術後の一貫した看護の提供のため)手術室入室後から術中手術終了病棟回復室・集中治療室一般病室~退院術前環境整備(手術室内準備・ガウンテクニック・手術時手洗いを含む),患者の身体状況に応じた手術(手術進行状況に応じた治療・処置および看護援助)[第2部5章1~4節]X線画像による体内遺残の確認,麻酔覚醒,麻酔覚醒後の身体管理,病棟もしくは集中治療室への終了連絡・申し送り・患者移送,手術器械の片付け[第2部5章4~6節]病棟回復室・集中治療室における術後患者の治療・処置および看護,麻酔科医師による術後回診,手術室看護師による術後訪問[第2部6章1~7節]病棟回復室・集中治療室から一般病室への転床移動,一般病室における術後患者への治療・処置および看護,退院に向けた看護[第2部6章1~7節][第2部7章1~3節][第3部9~18章]放射線診療技師麻酔科医師手術担当医師病棟担当医師放射線診療技師手術室看護師手術室看護師臨床工学技師臨床検査技師臨床工学技師臨床検査技師麻酔科医師手術担当医師病棟担当医師放射線診療技師集中治療室看護師手術室看護師臨床工学技師臨床検査技師病棟看護師麻酔科医師手術担当医師病棟担当医師臨床検査技師病棟担当医師病棟看護師の流れ外来受診・診断手術決定周術期管理センター外来受診入 院手術前日手術に関連して実施されるケアの概略手術室看護師の役割患者に関わる主な医療者外来担当医師による診察,諸検査,診断・治療に関する説明診断後,手術に関する患者・家族へのインフォームドコンセント(手術に対する理解度の確認,手術への同意,意思決定支援)[第2部4章1節]手術に必要な検査の実施,手術に関するオリエンテーション[第2部4章1~3節]①患者からの術前の情報収集②術前オリエンテーションの実施③術前患者の不安緩和・理解促進への援助④術前に休薬が必要な薬剤の確認・説明①必要に応じ術前訪問②術前情報収集③理解度(発達段階)や心理状態に応じた術前オリエンテーション④術前患者の不安緩和・理解促進への援助⑤看護計画立案・カンファレンス外回り看護師①病棟看護師からの患者の申し送り②手術に関わる医療スタッフへの情報の伝達器械出し看護師器械や医療材料の準備・器械台の展開入院病棟のオリエンテーション,手術内容を含めた治療の説明,手術に関するオリエンテーション(手術同意書,術前・術後に必要な物品,術中の家族待機,手術後の生活などについて)麻酔科医師による術前回診,必要時は手術室看護師の術前訪問,術前準備の確認(検査結果・手術同意書・術後患者に必要な物品など),必要時は術前処置[第2部4章2,3節]手術当日(入室まで)術前の身体準備,手術室入室に必要な準備・確認(手術予定時間・術中の家族待機場所・術後の部屋移動など),病棟看護師とともに手術室に移動、病棟看護師から手術室看護師への申し送り,術後,集中治療室に入室予定の場合は集中治療室看護師への申し送り[第2部4章3節]臨床検査技師外来看護師外来担当医師外来看護師外来担当医師手術室看護師麻酔科医師外来看護師外来担当医師臨床検査技師病棟看護師外来看護師外来看護師病棟担当医師外来担当医師手術室看護師病棟看護師麻酔科医師病棟担当医師手術室看護師病棟看護師麻酔科医師手術担当医師病棟担当医師手術まで薬剤師薬剤師薬剤師薬剤師薬剤師*:手術に使用した物品を医療廃棄物と感染性医療廃棄物に分別して廃棄.周術期看護の全体を俯瞰第13章●脳神経系に障害のある人の手術脳腫瘍/くも膜下出血第14章●感覚器系に障害のある人の手術白内障/舌癌第15章●運動器系に障害のある人の手術大腿骨頸部/転子部骨折/変形性膝関節症/腰椎椎間板ヘルニア第16章●内分泌器系に障害のある人の手術甲状腺癌第17章●性・生殖器系に障害のある人の手術前立腺癌/子宮頸部上皮内癌/子宮体癌/乳癌第18章●臓器移植を必要とする人の手術腎移植/肝移植第19章●既往疾患のある場合の回復過程−アセスメントツール外科的治療による侵襲からの回復を考えるためのツール/既往疾患を抱えながら手術を受ける患者への看護術実施後は,虚脱した肺の再膨張を図るために持続的胸腔ドレナージを施行する(図9.2-4). 肺に基礎疾患がある,または全身状態により外科的治療が困難な事例には,胸腔ドレーンから胸腔内に薬液を注入して胸膜を癒着させる胸膜癒着療法を行う.気胸に対する 胸腔鏡下手術のデメリット胸腔鏡下手術は術創が小さく侵襲が少ないという利点はあるが,観察できる範囲が限定されることや,気腫性嚢胞を見落す可能性があり,気胸を再発することが少なくない.●①●②●③患者を側臥位にする.皮膚を切開して●①のポートを挿入し,そこから●②のビデオカメラ(胸腔鏡)を胸腔内に入れる.胸腔内を観察した後,手術の方法を決定して●③のポートを追加し,そこから処置用の器具を胸腔内に入れて手術する.図9.2-3●胸腔鏡下手術ドレーンバッグの観察ポイント•吸引圧の設定•フルクテーション (呼吸性移動の水位)•排液量・排液の性状を確認・ドレーンの屈曲・閉塞の 有無を確認ドレーン刺入部の観察ポイント刺入部の発赤・熱感・腫脹の有無・皮下気腫の有無・刺入部からの滲出液・出血の有無・ドレーンの固定状況図9.2-4●持続的胸腔ドレナージの観察ポイント肺虚脱の程度症 状治 療Ⅰ度(軽度)虚脱した肺の肺尖部が鎖骨上にある患側の肩部に放散するような胸痛安静治療Ⅱ度(中等度)虚脱した肺尖部が鎖骨下にあり,肺容積が一側全体の50%以上胸痛,咳嗽,動悸,不安感,軽度の呼吸困難穿刺脱気,胸腔ドレナージⅢ度(高度)肺容積が一側全体の50%以下の虚脱胸痛,咳嗽,動悸,不安感,強い呼吸困難,ショック症状(チアノーゼ,末梢冷感,血圧低下)持続的胸腔ドレナージ再発を繰り返す場合基礎疾患なし手術(ブラ,ブレブの切除)基礎疾患あり,手術適応外胸膜癒着療法(薬液の注入)表9.2-2●自然気胸の程度別症状と治療法気胸と診断再発を繰り返す安 静ドレナージで改善なし手術適応なし手術適応あり9呼吸器系に障害のある人の手術術後10~14日目術後8~9日目術後5~7日目術後3~4日目術後2日目術後1日目手術当日経 過矢印の太さは看護援助の度合いを表したもので,矢印が太いほど観察や援助の度合いが大きいことを示している.観察・援助①術後状態観察 ・麻酔の影響 ・呼吸音 ・心電図モニター ・輸 液 ・術後出血 ・排液(ドレーン) ・尿 量 ・創状態 ・腸蠕動音②疼 痛③活 動④栄 養⑤合併症(肺炎・無気肺)⑥退院指導図11.2-5●胃癌の手術(幽門側胃切除術)後の経過表11.2-2●胃癌の手術(幽門側胃切除術)後の看護ポイント観察・援助看護ポイント麻酔の影響1 )術後の状態観察は,術後1時間および変動時は15分ごと,安定していれば1時間後,2時間後と間隔を空けて行う.2 )水分バランスを整えるため,輸液管理,尿量とドレーン排液量・性状をチェックする.膀胱留置カテーテルは術後1~2日目に抜去する.3 )深部静脈血栓症の予防として術前に装着した弾性ストッキングは,異常がなければ術後1日目に取り外す.         腹腔鏡下手術は一般的に開腹手術よりも時間が長くかかる.術後の観察は開腹手術と同様に行う.創状態1 )術後24~48時間は縫合部位をドレッシング材で保護する.術後48時間以上が経過していれば,原則的には切開部位の保護は不要である.2 )創部の発赤・腫脹,体動時以外の疼痛の継続は,創内部の再出血や創感染の徴候である場合があるため,注意深く観察する.明らかな異常が認められる場合は,早急に切開しドレナージを行う必要性があり,その対応が求められる.3)術後7日目を目途に全抜糸する.抜糸後に創が離解した場合は処置が必要となるため,注意して観察する.         遠隔操作での手術により,臓器・血管の損傷に気付きにくい.術後に体動時以外の疼痛の継続,腹部の強い違和感がある場合は,腹腔内における異常が疑われるため,注意深い観察が必要である.抜糸の時期と抜糸後の対応は開腹手術と同様である.排 液(ドレーン)1 )ドレーンからの排液量(術直後は1時間ごと),性状の変化を観察する.性状は血性から淡血性に変化するが,血性から赤褐色に変化した後に急激に血性となり量が増加した場合は,術後出血を疑う.出血量が100mL/時で3時間以上持続すること,または血圧,脈拍,尿量などが変化することに注意する.腸液の混入や便汁様への変化をきたした場合は,縫合不全が疑われる.2 )血塊やフィブリンによるドレーンの閉塞を予防するため,必要時は2~3時間ごとにミルキングを行うとともに,チューブを屈曲させ排液を促す.3 )ドレーンからの逆行性感染を防止するため,閉鎖式の場合,排液バッグは挿入部より低い位置に置き,たまった排液を破棄するときは,排液口が床などに触れないようにする.4 )開放式ドレーンは逆行性感染の危険性が高いため,ドレーン挿入部の清潔を保ち,挿入部周辺の皮膚を観察する.開放式ドレーンは,排液の種類によっては皮膚炎やびらんを生じる場合があるため,ドレーンの周囲にカットしたガーゼを置き,誘導された排液が皮膚に付着するのを防ぐ.5 )ドレーンの自然抜去や腹腔内への脱落を防止するため,皮膚との固定状態を注意深く観察する.開放式ドレーンは必ず安全ピンを通し,腹腔内に迷入しないようにする(p.100,図6.4-2参照).閉鎖式ドレーンは外力で抜けないように,屈曲を避けて腹壁にテープで固定する(p.100,図6.4-5参照).さらに,固定テープによる皮膚のかぶれがないかを観察する.排液の性状に異常がなければ,術後3~5日目でドレーンを抜去する.6 )ドレーンの挿入は患者にとって違和感や疼痛,体動制限,拘束感などの苦痛が伴うため,ドレーン挿入の必要性を十分説明し,少しでも苦痛を緩和できるようにする.         術後はドレーンが挿入されるため,開腹手術と同様にドレーン管理が必要となる.排 液(ドレーン)1 )疼痛の部位(創部,ドレーン挿入部位,腹部など)を確認し,痛みが心理的要因,物理的要因によるものかを観察腹腔鏡下手術後腹腔鏡下手術後腹腔鏡下手術後17311消化代謝系に障害のある人の手術貴重な写真も豊富に掲載手術後の観察・援助のポイントがひと目でわかるp.131p.173※視聴方法は16ページをご覧ください

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